作品No.174

A FULL MOON


 

ひんやりとした風が頬に触れて
また うつむいて歩く自分に気付かされる

思っているほど
辛くはないのかもしれない

思っているほど
淋しくはないのかもしれない

足下ばかり見ていたら
長い自分の影 追い越せないまま


だけど


思っているほど
哀しくはないのかもしれない

街灯が照らし出す街の夜は
静かに でも明るく
薄曇りの空には 
ときどき満月が顔をのぞかせる


辛くないよね? 僕は

淋しくないよね? 今は

哀しくないよね? だって…


もう少し 視線を上げて
もう少し 前を見て

そうして歩いてゆけたら

きっと…